2014年11月18日火曜日

interview : HARIKUYAMAKU (TOWER OF DUB RECORDINGS)

HARIKUYAMAKUと出逢ったのは今から1年程前の夏。彼のスタジオに1ヶ月寝泊まりしながら沖縄ローカルを思い切りマンキツさせて貰った。
知れば知る程、摩訶不思議な沖縄の人、風習、文化。内地の自分から見た沖縄は異国であり、その沖縄にスタジオを構え活動を行っている彼にインタビューした。

彼と共通するキーワードとして、「旅」がある。
彼も世界各地を旅しており、そしてその旅路は「快楽」「逃避」といった軟派なものでは無く、「追求」という言葉が当てはまるだろうか、自ずとハードコアな道を選んできてる事。20代中盤の若者でここまでの足跡を刻む者は、自分から見たら非常に稀でユニークな存在だ。そこに共感し、彼の旅の話からアーティスト活動について、幅広く聞いてみた。

interview by Doppelgenger



D.以前イースター島で一ヶ月テント生活してたみたいだけど、一体毎日何してたの?

H.皆既日食が目的で訪ねたんだけど、魔女みたいな人が住む家の土地にテントを張らせてもらって、家の手伝いや、そこで開催するっていうパーティーの設営とかして過ごしてました。イースター島独自の風よけの石垣を作ったり、牛の解体を手伝えたりと、かなり貴重な体験ができました。天気の悪い中、薪を集めて火をおこすことから料理が始まり、夜は大体それだけ。パーティーは、ほんとはチリのパーティーオーガナイザーがShpongle等の豪華なゲストを招いて色々と段取りしてたんだけど、直前に色々あってばっくれて。それでも集まった世界中の強者達とDIYでパーティーをつくって、ハードなダンスミュージックだけで確か7日間。皆既日食も見れて、とにかく映画みたいな毎日でした。

D.7日間。。。凄いね。バーニングマン並みだし色々と桁が外れてるね。
その後、四国のお遍路を回ってきたようだけど、その意図は?

H.旅から沖縄に帰るまでまだ時間があったんだけど、イースター島での体験が強烈すぎて、外国とか、新しい外からの刺激とかがもう要らないよっていう状態、抜け殻みたいになったんですよ。それで、心の旅みたいなのができたらなーと思って、お遍路だ!ってなりました。あとは、自分の精神的な甘さを叩きたかったのもありました。今思えば成人式のようなイベントでした。



D.そこでお遍路を選ぶのもちょっとおかしいよね。笑
他にもインドやタイ、オーストラリアなんか旅してたよね。
何か忘れられない旅の瞬間とかある?

H.ラオスの人里離れた山奥でバイクで事故、正面衝突。相手はさっそうと去っていき。動かないバイクとぽつんとなって、とりあえず一服した時のことは忘れられません。それに皆既日食は今でも目に焼き付いてます。

D.生きてて何よりだね。思うけど人間1回は死にかけると、人として一皮剥ける。
だからって死ぬような事はしない方がいいとは思うけど、命ってものに一回自分が向き合う機会って大事だと思うな。身をもってね。体験は着実に糧になるよ。
さて、HARIKUYAMAKUとしての活動は主に沖縄民謡のサンプリングから成り立つものだけど、いつ頃から民謡を集めだしたの?
また、どのように今のライブスタイルに辿り着いたのか。

H.2010年頃お遍路から帰ってきてからです。外国-日本-沖縄と移動する中で、自ずと興味が湧いてきて、集めるようになりました。
DUBにたどり着いたのは色んなきっかけがあったのですが。以前は自分の作った曲の表現に悩んでいて、当時DJをやることには興味は無くて、演奏をしたいって思いが強くありました。自分で作ったトラックをフェーダーやエフェクトで解体していくDUBは、トラックを作ることと、それをさらにライブで加工できるっていう二重の楽しみがあって、ぴったりハマりました。また、沖縄民謡を聴きだしたタイミングと、レゲェを教えてもらったタイミングってのが同時期で、沖縄民謡に感動しながら、オールドスクールなダブに感動してました。その2つを合わせてみようっていうアイディアでした。

D.アルバム【島DUB】リリース後、日本各地のクラブやフェスを回ってたけど、沖縄と内地との差や違い、他にも感じた事があれば。

H.内地ではミュージシャンやDJの行き来がすごい頻繁で、やっぱり陸で繋がっているっていうのは羨ましく思えました。沖縄は沖縄ならではの外との繋がりってのをつくっていけたら面白くなりそうですね。今は台湾との行き来がとてもやりやすくなっていて、沖縄のミュージシャンでも台湾を訪ねる人も増えてきてます。自分も台湾との繋がりを来年はつくっていきたいです。

D.前身名義である58についてだけど、それについて、また58は今後またやるのかな?

H.58は以前やっていたバンドを辞めてサンプラーでトラックを作っていたころからの名前です。実は2010年くらいにCDR音源も出したこともありましたが、今は特に動いていません。58名義での曲は実はたまに作っていて、いつかまた発表できたらと思っています。

D.自身が所属するバンド銀天団について(残波ジャム出演おめでとう!)。
発足から今後の展望を。




H.銀天団は、結成して約2年。初期はひたすらジャムセッション、ルーツレゲエに集中していた時期もあったりでした。ついこの間の残波JAMを機に、最近ようやく自分たちの音っていうのができてきて、まさにこれからが楽しみです。来年には音源をリリースして、内地にもツアーに行きたいです。

D.自身のスタジオTOWER OF DUB STUDIOについて。また住んでる銀天街は内地では考えられないぐらい謎の人だらけで、かつ愉快で才能溢れる仲間が近所に沢山居るんだけど、もともとそういうコミュニティがあったの?それとも自分達で作り上げたの?

H.銀天団を結成して最初の作業は、曲作りの前にスタジオ作りでした。TOWER OF DUB STUDIOができて、それから間もなくして友達がお店をオープンしてという感じで仲間が集まってきたという感じです(秀超が営むカフェ、たいら洋品店)。銀天街はとにかくみんなの集合場所っていう感じで、いつもの仲間から初めて会う人から、色んな人が集まってくるので面白いです。ここ最近は、銀天街に拠点を置く星屑工務店といって、内装などの現場仕事なんですが、みんなで仕事までやっていますよ。



D.いいね。スタジオから寝場所、遊び場や仕事場まで。あの小さな商店街で全てを賄ってるのは凄いよ。
ところで好きな食べ物は?

H.普段何気なく食べていた島豆腐が、豆腐屋さんによってこんなに味が違うのか!ってことに最近気づいてしまって。島豆腐にはまってます。

D.俺は近所の丸長食堂のすきやき定食だな。あとOTOBOLA近くの喫茶フリーダムのステーキ。
それじゃ、今後の展望について。

H.冬の間に作品をつくって、また年が明けたら内地にツアーできたらと思ってます。あと台湾。

D.ありがとう!それじゃまた12月のASYLUM in KOZAで逢いましょう。



HARIKUYAMAKU SOUNDCLOUD
https://soundcloud.com/58makoto

◆harikuyamaku (ハリクヤマク)
1989年沖縄生まれ。
コザ銀天街、Tower of Dub studioを拠点に活動するトラックメーカー/ダブエンジニア。14歳の頃からベーシストとして音楽キャリアをスタートさせ、2007年から、58名義でトラックメーカーとして活動を開始。2012年、アジア~ポリネシア各地の放浪、四国八十八カ所霊場巡礼の後、自らのルーツである琉球を意識するようになり、琉球民謡の7inchレコードを収集し始める。ちょうど同時期にreggae/dubの洗礼を受け、集めた古い唄を基にHarikuyamaku名義の楽曲「島DUB」の制作を開始する。生身の音、デジタルとアナログのバランスを重要視しており、ほとんどの音が演奏によってプログラミングされている。ライブではそれらの音を、アナログ回路によってリアルタイムでダブワイズし、曲の脱構築、再構築をしながらサイケデリックな音景を創り出す。2013年春、コザにそびえる銀天街タワーを自ら改築し、Tower of Dub studioを完成させる。その後、そこで集まったメンバーでdub / jamバンド「銀天団」を始動させるとともに、コザ音洞にてオルタナティブなパーティー「PAGAN DANCE」を開催。すでにこれまで、DJ YOGURT、DJ Doppelegenger、Toshio-BING-Kajiwara、KOR-ONEなどのゲストを招いている。7月には、沖縄を代表する野外パーティーMessage of Loveでオープニングアクトとして出演。 




◎後記
これはざっくりとこれまでの彼と過ごした時間の中で知った事を聞き出した次第。他にもここじゃ言えないような面白い話が沢山あって。それはリアルに自分やHARIKUYAMAKUから聞き出して欲しい。そして沖縄に行く機会があれば是非、コザ十字路にある銀天街を訪ねてみると良い。那覇とは全く異なる、ローカル沖縄の奥深さを体感出来るはず。特に旧盆は三日三晩エイサーが鳴り響き、そこは内地の世界とは別世界の沖縄・日本を見る事が出来る。そして先にインタビューしたSINKICHI氏にも遭遇するであろう。
今回リリースしたV.A/ASYLUMでHARIKUYAMAKUの音を聴いてみて欲しい。そして彼のアルバム「島DUB」も是非。日本全国見ても、彼の音は彼にしか作れないし、唯一無二な音、存在に気付くだろう。
今回こうして同じCDで共演出来た事を嬉しく思う。そしてこれからの彼の活躍を期待している。
興味を持った方は是非12/22@otobolaで開催されるASYLUM in KOZA vol.2へ!




V.A/ASYLUM好評発売中!
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